よくある質問「痛い場所でなく、頭皮に鍼をするのはなぜですか?」
「痛い場所でなく、頭皮に鍼をするのはなぜですか?」
という質問をいただくことがあります。
理由としてはふたつあります。
①頭皮には全身の各部位に対応したツボがあります。
例えば、頭・肩・背中・腰・膝などの場所に対応したツボが頭皮の
髪際や耳の周りにあるのです。
②痛みに過敏になった脳を穏やかにさせるためです。
最近の研究では痛みが長期化したり精神的な苦痛が伴ってくると、
脳が痛みを感じる仕組みが変わる可能性がある、ことが分かっています。
痛みは脳で感じているのですが、
その痛みを過敏に感じるようになるケースがあるのです。
本来、人の身体には痛みをコントロールする力があります。
脳科学的に考えると痛みのコントロールには、
脳内の「扁桃体」と「前頭前野」が関連しています。
・扁桃体は不安・恐怖・怒りの感情と深く関わっています。
「この痛みはいつまで続くのだろう?」
「仕事・家事が続けられなくなると困る。」
「なにか大きな病気があるんじゃないだろうか?」
などと、ネガティブな感情が続くと扁桃体が刺激され続けて、
扁桃体が興奮しやすくなります。
・前頭前野は人間の意思・創造力・判断力・理性などの高度な働きをしいてます。
前頭前野には、痛みを抑制する役割もあり、
扁桃体が興奮しすぎないようにセーブする働きがあります。
痛みがあっても前頭前野の働きで、ある程度の期間は扁桃体の興奮を抑えています。
しかし、長期間続くと前頭前野の働きが低下してしまい扁桃体が強く興奮してします。
このため脳が痛みに過敏に反応してしまうといわれています。
通常であれば「1」の痛みを「5」の痛み、場合によっては「10」の痛み
として何倍にも強く感じてしまうのです。
参考図書;慢性疼痛・脳神経疾患からの回復
YNSA山元式新頭鍼療法入門
監修:山元敏勝 著:加藤直哉